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【声明】4月1日より成年年齢が18歳からになります。
若者を狙う消費者被害に注意しましょう
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成年年齢引下げに関する声明

2022(令和4)年3月23日

特定非営利活動法人やまなし消費者支援ネット
理 事 長   花輪 仁士(弁護士)

 本年4月1日より、満18歳を成人とする改正民法の施行により、4月1日時点で満18歳、満19歳の若者が同時に成人になり、4月2日以降、満18歳を迎える若者が順次、成年となります。
 成年年齢引下げの主な理由として、若者が大人の自覚を高め、「自己決定権の尊重」、「積極的な社会参加」等への期待がありました。
 しかし、対象となる若者の社会的な未熟さや事業者との情報格差などにより、消費者被害にあうのではないかという心配の声が出ています。現状でも、20歳になると消費者被害に巻込まれることが多く、ましてや高校生を含む18歳19歳での消費者被害がさらに増えることが大変心配されます。若者の消費者被害を未然に防止するために、行政はじめ社会的な対応が広く求められ、学校における消費者教育がますます重要となっています。当法人も消費者被害未然防止の一助になればと思い、声明を出すものです。

(1)
 当法人が2018年10月に行った上記に関わる消費者アンケート(1,686人、うち高校生・大学生・20歳代消費者の合計970人)において、「成年年齢が18歳に引下げられることを知らない若者が202人(約20%)」、「未成年取消権が無くなることを知らない若者が631人(約65%)」でした。また、「消費者被害やトラブルを相談できる消費生活センターや消費者ホットライン(188)を知らない若者は619人(約64%)」でした。この状況を受けて、山梨県知事あてに小中高校における消費者教育の充実、18歳引下げに伴う各種消費者被害に関する周知徹底、消費生活センターや188の周知徹底等を提言しました。

(2)
 2021(令和3)年に策定された「第2次山梨県消費者基本計画」の現状と課題の中で、消費生活相談窓口等の認知度で、県民生活センター(48.3%)、市町村相談窓口(21.2%)という数値は、上記1.の、2018年時点の当法人アンケート結果とほぼ同様であり、認知度が低いままです。
急ぎ、これらの周知徹底、認知度向上の対策が必要な状況です。

(3)
 2021年7月に行われた(公財)消費者教育支援センターが実施した「高校生の消費生活と生活設計に関する調査;3,125人」における、
【2022年4月1日より、成年年齢が18歳に引下げられ、例えば一人で契約できるようになります。成年年齢が引き下げられることについて、あなたはどう思いますか?】という質問に対しての結果は、「特に何とも思わない(33.7%)」、「消費者被害にあうかもと不安になる(29.4%)」、「何となく面倒に感じる(22.9%)」、「プレッシャーに感じる(21.8%)」、「法律や制度を詳しく知ろうと思う(20.2%)」、「大人の仲間入りが出来てうれしい(11.1%)」、「社会の一員としての期待を感じる(5.5%)という回答順でした。
引下げの主な理由とされた、「積極的な社会参加(社会の一員として)の期待」とは逆の結果でした(一番回答数が少なく、男子5.2%、女子5.7%)。
 そして、最も回答の多かった、「特に何とも思わない(男子約40%、女子約30%)」という成年年齢引下げに対する無関心さについて放置することは若者の消費者被害増加につながりかねません。
 小中高校における早急な消費者教育の充実が求められています。

(4)
 本年3月1日、政府は成年年齢引下げを踏まえ、若年層を勧誘する際、明確に説明することを事業者に課しました。
 しかし、努力義務にとどまり勧誘相手に明確な説明をしたことについて、確認する義務は課されておらず、その効果については不透明と言わざるを得ません。
 一方、県内の主な金融機関の多くが、改正民法施行の4月1日以降も、カードローン対象年齢を現行と同じ20歳以上を維持する方針であることが報道されました。
その理由は、「18歳19歳は、金融リテラシー(知識・判断力)が不十分であること、返済能力を上回る貸付につながりかねない」という懸念からです。
金融機関の判断は結果的に若者の消費者トラブル等を未然防止することになり、 他の多くの金融機関に同様の判断が広がることを期待します。

(5)
 以上のように、18歳成年年齢引下げに関して様々な状況を勘案すると、
「本年4月1日より、成年年齢対象となる18歳19歳の若者が新たな消費者被害の対象として狙われるのではないか」という心配の声が現実になる恐れがあります。

当法人としては、引続き若年者における消費者被害の防止と救済に尽力するとともに、行政はじめ報道各社や事業者団体及び消費者団体などの関係各位において、成年年齢引下げに伴う消費者被害やトラブル等の未然防止について、消費者教育の視点を含め、分かりやすい各種広報や注意喚起活動にともに取組んでいただきますことを、ご期待申し上げます。

以上

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